公務員試験の最重要科目、数的処理。おそらく恐らくこの試験ではじめて相対する科目でしょう。どのような本(参考書・問題集)を使って学習を進めて行けば良いのか? 私の独学での地方上級合格経験をもとに勉強法を交えながらおすすめを紹介していきます。
この科目、まず最初に解いてみたときに驚きを受けるでしょう。数学的センスやもともとのIQの良さが必要なように感じます。私もそうでしたが、自分の地頭の悪さを実感させらて大変イヤな気持ちなりました。
まれにこの類の思考が得意で無勉強で出来るという猛者もいますが、神様からのギフトだと思います。(その才能、公務員にならずに他の分野で活かしてくれよと思います^^)
第一印象はこんなところですが、実は誤解があります。これは公務員試験です。一発で解ける天性の才能を見るわけではありません。実は問題にはある程度のパターンがあり、繰り返すことによって解法のパターンを身に付ける科目なのです。
出題数も地方上級教養試験50問のうち大体16~18問くらいを締めるので、絶対に捨てる訳にはいかない、まさに「絶対に負けられない戦い」なのです。
もう一つの特徴として、試験中に時間をたくさん使う科目であることです。問題を読んだだけで解けるわけではありません。そのとき解き方が分かったとしても、時間を使って解法を用いる必要があります。この問題数の多さと所要時間ゆえ、数的推理の力を高めることは合格に直結します。
数的推理・判断推理の勉強法
最重要科目 です。
数的推理は早さの計算や、整数論、面積・体積、確率、図形など数学のような問題が出題されます。数学嫌いな人はトラウマがよみがえると思います。私も理系でしたがよみがえりました。判断推理は知能テストのようなイメージです。誰が嘘をついているのか?暗号や順番、トーナメント表の解読など論理パズルのような問題です。
尻込みしそうですが臆している暇はありません。もう一度確認、数的推理・判断推理ともに問題集を使用した繰り返しの演習が物をいう世界です。
STEP1 詳細な解説つきの問題演習
ここの項は他の科目ならば「基礎的知識のインプット」としてますが、数的処理に限っては理論に固執しないほうが良く、解法のパターンを身につけた方が良いです。
問題演習をしながら解き方を覚えていける、通称カンガルー本こと「畑中敦子のザ・ベスト」シリーズを使用しましょう。
数的推理・判断推理それぞれ一冊です。
※2018年に改訂が入って、最新傾向を反映し、さらに進化した「ザ・ベスト プラス」としてリニューアルされています。
畑中敦子さんは公務員試験界の数的処理の大家? で独学ならばこの方の本が必ず選択肢に上がってきます。
収録されている問題も過去問をベースとしており、一つの分野でいくつかの難度の問題に触れることができます。どのように解いたら良いかの説明が詳しく、おちいりやすいワナなどのポイントも見やすくまとまっていてお勧めです。苦手意識を持つ人の苦手感をほどいてくれるような分かりやすい文章です。
STEP2 ひたすら繰り返して問題演習
数的処理は繰り返しの演習がものを言います。カンガルー本である程度解けるようになってきたら他の問題集にうつって、どんどん数をこなしましょう。
出たDATA問 6 一般知能 実践編 2020年度版 国家公務員・地方上級 (東京アカデミー編)
- 作者: 東京アカデミー
- 出版社/メーカー: 七賢出版
- 発売日: 2018/12/01
- メディア: 単行本
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私のおすすめは東京アカデミーの「出たDATA問」です。 ふざけたダジャレの問題集で大丈夫かよ? となりますが、地方上級のレベルでほぼ過去問をベースとしたどんぴしゃりの問題が数多く収録されています。これ一冊で数的推理・判断推理・資料解釈の演習が出来ることも魅力です。解説は多少淡白で、数学的な解法を用いていることもありますので、カンガルー本の解説と照らし合わせながら理解していくのが良いかも知れません。
逆にカンガルー本の解説では分かりにくかったところも、こっちの解説では理解できるようになるかも知れません。私も問題によってはこっちの解説のほうが好きだなということがありました。セカンドオピニオン理論ですね(笑)
※なお、数的推理・判断推理の「スーパー過去問ゼミ」は購入しましたが、全く使いませんでした。厚すぎるのとパッとみ解説やレジュメがわかりにくかったので避けました。こういう無駄なお金も発生しますが、合わないと判断したら捨てるのも必要です。時間は大事ですから。
STEP0 もう一段低いレベルから学習したい人向け
それでも分からない、苦手という方へ。カンガルー本に取り組んだ際に、そもそも今ひとつ理解が出来ないという人もいるかと思います。私も苦手意識を持ってしまい、カンガルー本の解説を読むのも苦痛ではかどりませんでした。その時は難度の低い試験用問題集から取り組むのも良いかも知れません。
畑中敦子の[判断推理・数的推理]苦手克服ノート (別冊受験ジャーナル)
- 作者: 畑中敦子,受験ジャーナル編集部
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2010/03/06
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私は本屋の奥底でこのムックを発掘して購入しました。「苦手克服ノート」と銘打っているだけあって問題のセレクトが優しい物ばかり。初級レベルの試験の問題なども含まれています。私は解き方のコツをつかむことが出来ました。
数的処理という科目は毎日やるべき科目です。ただし脳に疲れの来る科目でもあります。気分的に難度の高い問題に取り組む気が起きない日は「苦手克服ノート」の問題で手を打つこともありました。
※現在 Amazon では新品の取り扱いはなく、マーケットプレイスの中古品のみとなっています。改訂版や後継のシリーズも出ていないようで残念です。個人的にはイチオシなので是非出て欲しいのですが。
そんな時はこちら「高卒程度の問題レベル」で進めていくのも手です。上記のザ・ベストプラスの初級バージョンです。
まとめ
- 「カンガルー本」基礎的な演習力を高める
- 「 出たDATA問」で幅広い問題に触れ実践力を養う
- あまりに分からない場合はもう一段「難度の低い問題集」に取り組んでみる
数的推理・判断推理は繰り返しが重要、パターンに慣れる科目です。最初のうちは成果が見えづらいですが徐々に効果が出てきます。私も苦手意識がありましたが、本試験前には8割がた解けるようになりました。
数的処理は毎日継続して問題を解くこと。勉強計画を立てるかと思いますが、この科目だけは毎朝、必ず解く時間を設けるようにしてください。なお解けるようになっても一問10分かかっていたら本試験ではタイムオーバーです。日頃から出来る限り短い時間で解くことを意識して取り組むと良いでしょう。
資料解釈
資料解釈については、私は全く勉強しませんでした。細かい少数の計算が多くて時間が取られることが多く他の勉強に時間を充てた方が良いという判断です。ただし問題のパターンは少なく、一問は必ずでるので余裕があれば取り組んだほうが良いでしょう。本番の時は適当に解いて、適当にマークしました。
それでも合格は可能です。
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