Windows 10 がリリースされてから一ヶ月ほど経ちました。
ファーストインプレッションの記事にも書いた通りなかなか好印象です。良いOSじゃないかな。音楽用の機材がついてるマシン以外は適宜 Windows10 に更新しています。
しかしながら Windows を使用していて感じることは Mac や Ubuntuなど他のOSと比べてフォント描画・レンダリングが残念な件。ここは改善が見られず。ということで Windows10 のフォント描画回りを改善してみましょう。
Windows10 と書きましたが Windows7、Windows8 など旧来の Windows OSでも可能な方法です。どちらかというと「過去のWindows OSでも通用していたやり方が Windows10 でも確認できました!」という記事になります。
主な内容は以下3点です。
- MacType でフォント描画を綺麗にする
- Google Chrome でも MacTypeを機能させる
- システムフォントを一括変更する
*追記 12月24日
メジャーバージョンアップでフォントレンダリングがマシになっています。
Windows 10 のフォント描画
Windows のフォント描画は他のOSに比べて、ギザギザカクカクしていてなんかかっこ悪い。代々 Meiryo や Yu Gothic などデフォルトフォント自体を変えることなどして、ちょっとずつ改善を図っているようですが、それでも全然追いついていない感じです。
仕事と趣味で色々な OS を触りますが、他のOS触ったあとだと余計にがっかりきちゃうんですよね。このあたりは毎度のこと新OSが出るたびに「次の Windows で改善される!」などと期待してはいるのですが、今回もフォント回りに関してはがっかりでした。 残念ながら Microsoft 的にはこれで十分と考えているようです。
MacType でフォント描画を綺麗にしよう。
Windows10 でも綺麗にフォント描画をする方法はあります。フリーソフトであるMacType を使用しましょう。
MacType は Windows のフォント描画を改善し、テキストを読みやすくするソフトです。インストールするだけであらゆる部分の文字描画が読みやすくなります。
ちょっとみてください。
テキストエディタにて同じフォントとサイズで書いた文字列の比較です。MacTypeありだと滑らかで太く見やすくなっています。元のフォント描画だと文中の「ギザギザ」がまさにギザギザしてましたが改善されてますね。
MacType のインストール
Vector のダウンロードページからインストーラーをダウンロードしましょう。
インストーラー「MacTypeInstaller_2012_1022.exe」を起動します。中国語圏にて開発されたソフトですが、このインストーラーは日本語にも対応しています。
① 言語選択
「日本語」 を選択
② セットアップタイプの選択
「標準」を選択
③ インストール
「インストール」ボタンを押す
④ 完了
MacType を起動するにチェックをつけて「完了」を押す
MacType の設定
すると以下のような画面が立ち上がります。 MacType ウィザードです。
ここでMacTypeの起動モードが選べます。
いくつかモードがありますが、「サービスモード」にしておけば問題ないでしょう。自動的にWindows のサービスとして登録され、OS起動時に自動的に起動されます。
「MacTray ロード」も便利なモードです。MacTrayというタスクトレイのアプリケーションで適用するプロセスなどを選択や、起動の有無などを管理できます。動作確認や調整などに使えます。
*「レジストリモード」は文字通りレジストリに影響を与えるので選択しないほうが良さそうです。
「次へ」を押すとプロファイルの選択画面が選べます。
漢字のサンプルに中華アプリ感が伺えます。いくつかのサンプルがありますので自分が気に入ったものを選択しましょう。僕は「彷Mac」にの文字に惹かれてそれを選択しました。
以上、ここまでが MacTypeのインストールです。これでかなり綺麗に見えるようになったと思います。
Google Chrome でもMacTypeを有効にする
MacType は DirectWrite を使用する描画には対応していないのです。Google Chrome では ver41 からデフォルトで DirectWrite が有効になっています。
この DirectWrite という技術は GPU を使用してテキスト描画を高速化したり、高品質のテキスト レンダリングを実現する機能なのですが、正直僕の環境では MacType に比べると弱い感じがしました。(高解像度ディスプレイだと恩恵があるのかも知れません)
Chrome でも MacType を有効にさせて読みやすいWebブラウジングを実現したいっ! ということで DirectWriteをオフにしてみましょう。
Google Chrome で MacTypeを有効にする手順
2015年8月27日時点の情報です。Google Chrome バージョン 44.0.2403.157 m (64-bit) にて確認しています。
chrome の機能をいじるなら chrome://flags です。今回は3つの設定を変更してMacTypeが有効に効くように変更してみます。
① 「DirectWrite を無効にする の項目」を「有効」にする。
chrome://flags/#disable-direct-write の設定を「有効」にします。ちょっとおかしい日本語で混乱しますが、「DirectWrite を無効にする機能を有効」にするということですね。背景がグレーから白になったらオッケーです。
chrome://flags/#disable-direct-write
基本的にはこの状態で MacType は適用されるのですが、このままだとたまに文字欠けが発生するようです。そのために残り二つの手順を踏みます。
② 「ワンコピー ラスタライザを有効にする」 の項目を「無効」にします。
chrome://flags/#enable-one-copy の設定を無効にします。ワンコピー ラスタライザが無効になります。
chrome://flags/#enable-one-copy
③ GPU のラスター化を有効にする の項目を「無効」にします。
chrome://flags/#enable-gpu-rasterization の設定を「無効」にします。これでGPUのラスター化が無効になります。
chrome://flags/#enable-gpu-rasterization
以上で Chrome でも MacType が効くようになります。 Yahoo! のプロ野球順位のページで確認してみましょう!!
【元】
【MacType 適用!!】
文字がぶっとくて見やすくなりました。数字がくっきりしてますね! ちなみにいくら MacType で綺麗になっても某球団の順位は最下位です。何度見ても最下位です・・・。
MacType のデメリット
MacType は万能ではありません。ソフトウェアによっては不具合が出る可能性があります。フォントによっては効果が分からない、人によっては滲みなどが気になり発生して余計に見にくいこともあるでしょう。
また Google Chrome に適用させる場合は高速化に寄与する新機能を外すことにもなるので、速度低下などがあるかも知れません。(もっとも、僕の体感上はありません)
Webサイトの作成などをしている場合も注意しましょう。自分の画面では MacType の効果によって綺麗に見えてますが、MacType を適用していないユーザーには旧来のギザギザ・カクカクなままで見えてます。
システムフォントの一括変更
続いての話題です。Windows10 ではシステムフォントとしてあらたに「Yu Gothic UI」フォントが適用されています。これは「游ゴシック」フォントを派生させたもので、高解像度環境ではとても綺麗でモダンに見えるフォントです。
しかしながら低解像度環境だと細くてシャギーの目立つ見にくい感じがしてしまいます。
そこでシステムフォントを変更しましょう。とりあえず Windows 8 とかの Meiryo UIに戻してみましょう。
Tatsu 氏作成の「Meiryo UIも大っきらい!!」というソフトを使います。ソフト名に反してMeiryo UI に戻す使い方で申し訳ないのですが、Yu Gothic UI から変更の需要も加味されているらしく、Windows10 リリースに合わせてアップデートして下さいました。
①作者ページより「Meiryo UIも大っきらい!!」をダウンロードする
②アプリケーションを起動し、システムフォントを変更する。
このような画面が出てきます。
変更したい部分のフォントとサイズを選んでOKを押すと変更が即座に適用されます。
【元 Yu Gothic UI 】
【変更後 Meiryo UI】
うん!変更されました!
(ただしあまり変わってないように見える。以前のWindowsってこんな感じだったけ?)
【MacType + Meiryo UI】
MacType と組み合わせるとかなり見やすくなってます。これはいい。
おわりに
Windows はフォントレンダリングに代々難があるかんじでしたが、フリーソフトにより、見やすく使いやすく改良することは出来ます。Windows10 でも見やすくすることが出来ました。ほんとうにありがたいです。
余談1
Windows 10 は標準で「游ゴシック」や「YU Gothic」が入っています。Windows8 はあまり使わなかったので最近になってから気になったことなんですけど、Webサイトのフォント指定において標準フォントということで 「Meiryo」よりも先に「游ゴシック」シリーズを指定しているサイトがたまに存在してます。細すぎてすごく見にくいです。Web 製作の際は Meiryo を先に指定しておいた方がいいのではと思います。
余談2
Microsoft が Windows10 に合わせて投入した新ブラウザ Edge ですがこちらはMacTypeが効きません。文字通りEdge の立ったフォント描画になってます。IEと変わりません。オプションにGPU 関連の項目もないのでお手上げですね・・・。
余談3
豆知識。メイリオ(Meiryo)って「明瞭」から来た言葉だったそうです。へぇ~。
追記 2015年12月24日 バージョン1511
Windows 10 は定期的にメジャーアップデートが入る仕様になっています。私のPCは自動で今月にバージョン1511へのアップデートとなりました。(ほとんどWindows10を新規に入れたのと同じくらい時間がかかる厄介なものなんですけどね)
このメジャーアップデートを入れると設定がリセットされます。このページで紹介しているMacTypeの自動起動やシステムフォントの変更などもリセットされてしまいます。
また余計なことしやがって!ガッデム!と怒りが湧いてきたのですが、今回のアップデートでフォントレンダリングにも変更が入っています。
【バージョン1511 デフォルト状態】
あまりに見難かったシステムフォント回りが改善されています。そんなにヘロヘロしてない感じ。もちろんMacには及びませんが。このままで様子みるのもありかも知れません。
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