市役所試験、主に夏以降に行われるB日程・C日程などの試験対策や勉強法を紹介します。私はA日程の地方上級県庁試験からの流れで、二つの市役所を受験しています。
A日程 県庁 = 最終合格
B日程 市役所 = 二次面接試験合格後辞退
C日程 中核市役所 = 一次筆記試験合格後辞退
ともに選考途中で辞退したため最終合格には至っていませんが、一次教養試験や地方上級試験との違いなどの観点で、お伝えできることもありますのでよろしければお付き合いください。なお本項は一般行政事務職の試験を想定しています。
市役所試験の日程
自治体によって一次試験の実施日が違います。地域や年度によって違いますが、だいたい以下のような日程で分類できます。
▼ A日程 6月下旬の週末に実施されます。2019年は6/23(日)
--- --- 以降夏から秋にかけての試験が本項で対象とする難度の試験です。
▼ B日程 7月下旬の週末に実施されます。
▼ C日程 9月下旬に実施されます。
▼ D日程 10月第三日曜日に実施されます。
その他は独自日程の自治体もあります。11月実施の一次試験をE日程と呼ぶこともあります。
市役所試験の一次試験の特徴
一般行政事務職の市役所試験の場合、教養試験(40問)と教養論文が一次試験として課されることが多いです。
地方上級に比べて科目数・問題数が少ないということは、教養試験で差がつきにくい。配点は自治体によって違いますが、教養論文で差がつきやすくなっているのが特徴です。また1~2ヶ月の短期間でブーストを掛けてくる受験生も多いです。また長期計画で働きながらでも比較的余裕を持って学習できる量だと思います。
市役所試験の教養試験科目
前述したとおり問題数は40問です。
▼ 一般知識
政治・経済・法律・社会の社会科学。
世界史・日本史・地理の人文科学。
数学・物理・化学・生物・地学の自然科学。
▼ 一般知能
現代文・英語・古文の文章理解。
数的推理・判断推理・資料解釈の数的処理。
A日程の試験と比べた難度
A日程の試験に比べて、問題の難易度は簡単になります。
自治体の倍率にもよりますがボーダーは上がる傾向にあります。
B日程・C日程・D日程での試験問題の難度の差はは有りません。
地方上級のA日程など先行する試験で、専門試験を受験した人にとってのアドバンテージは、政治・法律・経済の社会科学分野の学習が深くすすんでいること。
一方市役所試験にターゲットを絞った受験生の強みは人文科学・自然科学に学習の時間を多く割けることがアドバンテージですね。
そこで鍵を握ってくる科目が、数的処理になります。全部で40問中、12問も出題されます。これはどの公務員試験でも言えることですが、数的処理をコツコツと繰り返して解くことが合格への道ですね。
過去問500を繰り返し解こう
合格のポイントとしてはやはり過去問 500です。この教養試験のものは全てマスターしておきましょう。私もこのブログにおいて様々な公務員試験コンテンツを用意してますが、結局一番効果があったのが「過去問500」の繰り返し演習だと思っています。ある程度の力ついたら、本番に近い過去問を繰り返し解く。過去問500の周回に取り組み、覚えるまでやる。これが極意です! ある程度の力とは過去問500の解説文がどの分野の話をしてるのか分かるようになったくらいです。

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学習のポイント
私の地方上級受験を経て受験した経験での考えを説明します。公務員試験に限らずですが基本的には試験にあった問題集を使うこと。第一目標は合格すること。オーバーキルする必要は無いのです。
Q. 市役所試験の問題集はどの難度を選ぶべきか
地方上級直前対策の記事にいただいた質問です(ありがとうございます)。
B日程試験以降は問題が簡単になりますが、私としては市役所用の問題集を使うべきと考えます。過去問500は市役所用を使うということ。
難度が高いものはオーバーワークになり時間効率が悪いです。本番に近い問題を繰り返して時間感覚を養うことが重要です。また試験は簡単にはなりますが、言い回しや出題形式が微妙に異なるように感じます。
地方上級用だと一見余裕のある学力が付くように見えますが、暗記や理解に時間がかかる上、論点が細かい分忘れてくのも早い。その時間を繰り返しや差がつきやすい論文試験の学習に充てたと方が良いとの考えです。
地方上級受験者であっても、市役所試験用の問題集で学習した方が良いと思います。
教養論文
こちらは対策は地方上級と変わりません。過去問(過去出題されたテーマ)が確認できるのであれば確認をしておく。基本的な論文の書き方をマスターしておく。一般的な論文のテーマとなりやすい論点を整理しておく。その上で受験する自治体の特性や政策について知っておくこと。これらはの作業は論文だけでなく面接試験にも役に立つことです。
▼ テーマの把握
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鉄板の参考書である頻出テーマのまとめ方です。
これは論文の書き方というよりも、ネタ元という位置づけです。問題集や演習書でもない読み物系の本です。これだけでは論文が掛けるようにはなりませんが、どのようなテーマが問題となりやすいのか論点をつかむのに適しています。この本で上げられているようなテーマと受験する自治体の特色を抑えておきましょう。
▼ 論文試験概要とテクニックの把握
論文の概要を学習するためにはこれらの書籍を読んでおきましょう。事前に受験する自治体の問題、課題について調べて、頻出テーマと照らしあわせておくこと。手を動かして論文を書くことが大切です。
※教養論文についての別途エントリーを書いています。地方上級と銘打ってますが市役所試験でも同様の対策になります。
面接試験
市役所試験における一番の難関は二次試験以降の面接試験です。
小規模な自治体だと採用枠自体が少ないです。人数が少ない分、一人一人をじっくり見極めされると思います。地方上級県庁だとアピールというよりは、しっかりした受け答えで合格ラインを確保するという戦略で望みました。一定ラインの全国的な統一基準があってそこに潜り込むイメージです。
ところが市役所の面接では、その自治体へのより深い理解と人物の性格を重視しているのかなと感じました。
面接回数の多さも特徴です。私が受験した自治体は県庁よりも多かったです。場所によっては三次・四次と回数が必要な自治体もあると思います。
地方上級試験においては出身地や縁は普通にカバーできると考えていますが、市役所だと全く縁が無いところを合格するのは難度がかなり高いのかなと思います。もちろんweb等を探せば事例はあるので不可能ではないです。
市役所試験は長丁場
年末・年明けまで追加募集する自治体もあります。あきらめずじっくり時間を掛けて合格する力を養っていくことも可能です。
さらに申し上げたいのは、レギュレーションの範囲内であれば翌年以降何度も挑戦することが出来ます。社会人が働きながら学習しやすいのも市役所試験の特徴です。コツコツと長期計画での受験も良いと思います。
以上、私の考えるB日程以降の市役所試験の特徴と対策でした。
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