けものフレンズ2の最終回が放送・配信されました。
ネット上では制作陣への怒りの声もあふれているけど、自分としては怒りというより「悲しみ」とか「残念だ」という類いの気持ちの方が強い。
もっとも最終回よりもずっと前の回から感じてたことなので、今それほど落胆しているわけではないんだけど、それでも最終回。早起きして見た分だけなにか言いたくもなってくる。
と、色々言い訳したり「まあどうでもいいんですけどね」という体を装ったりとあまり価値のない文章になるのは承知の上で感想を書いてみます。
ビーストの悲しみ
ホテルでフレンズ型セルリアンと戦うサーバル・カラカルたちを助けるためにキュルルが用意した作戦は、暴れん坊な存在のビーストに助けてもらうことだった。
「最終回だしビーストもやっぱりジャパリパークが好きで仲間になるのか?」と思いきやなんとそのまま放置でホテルの瓦礫に飲まれていく。
これではキュルルの策は「ビーストを捨て駒にしてセルリアンを退治する」に見えてしまう。ビーストもセルリアンも倒せて一石二鳥。最後にビーストはのけものであることが確定してしまう。ただ悲しい。
動いてるものを見境なく襲うなら「動かなければ襲ってこないよ!じっとして」ってシーンでもはさんで一緒に船に乗るとか、せめて「あなたも船に乗って!」など呼びかけるセリフを入れるだけでも印象は変わってくるのに。
ビーストは瓦礫に飲まれる必要があったのか? どこかで生きていて欲しいと願うよ。
かばんちゃんとサーバル
「かばんさん」は性格や口調も変わっている。それはジャパリパークで生き抜き、色々と知ってしまった我々に見えてない部分故かもしれないけど、大人になってしまったようで悲しい。(その割には微妙に無能なのも気になる)
6話での邂逅ではほとんど接触がなかったサーバルとかばんちゃん。今回はかばんちゃんとサーバルが会話するシーンがある。
一期最終回でゴコクチホーに向かった三人はどうなったのか?あの旅の結末はどうなったのか?
今回のエピソードを見るに悲しい出来事があったようにしか思えない。サーバルはおそらく別の個体だ。再度フレンズ化したにしろ記憶は失ってしまっているのは確定か。
サーバルの天真爛漫さによって救われたという形にしたかったんだろうけど、みんなが求めていた「あの旅の続き 」の結末を決められたようで残念だ。
設定まわり、残された謎
キュルル
キュルルはかばんちゃんと同じく人のフレンズだ。ただあの場所に生まれた理由はよくわからないままに終わった。
- かばんちゃん → パークガイドのフレンズ
- キュルル → パーク客のフレンズ
色々と物議を醸しそうな「Cパートお手紙の絵」を見るとキュルルはパークの客がフレンズ化したで良いだろう。
いやフレンズ化と言ったが、もしかしてコールドスリープしてた人かも知れない。イエイヌがかばんちゃんには懐かない理由にもなる。
元ガイドに対してお客というのは面白い。二人のキャラクターの性格差にも結びつけることが出来るかも。
Cパートお手紙の絵
強烈だった。時系列はこんな感じだろう。
- パーク開園時 キュルルがパークを訪れ、サーバル・カラカルと触れ合う
- 一期:かばんちゃん・サーバル・ボスの旅
- 二期:キュルル・サーバル・カラカルの旅
かばんちゃんのセリフと最後にこれでノックアウトされた人も多いだろう。(精神的にKO、頭の血管が切れすぎてKO、どちらも含む)
イエイヌ
キュルルの絵でイエイヌはフレンズ状態であるから、キュルルのペットだったというわけではなさそう。
あのお手紙はなんのか?おそらくはパークガイドに向けたお礼の手紙。どうしてイエイヌの手元(イエイヌが済むおうち)にあるのか?はパークガイドの家だからか。
最終回も留守番ってどんな判断だ?
スケッチブック
あまり有効に機能していなかったが、一応はスケブを元に旅をしてきた経緯がある。あのスケッチブックは誰が描いたのだろうか?これは生前のキュルルで確定。
かつてパークを訪れた時に描いた想い出をたどる話ーーー。
これだけ聞かされるとちょっと面白そうなんですがね・・・。
スケブセルリアン製造機
フレンズ型セルリアンを生み出す元となったスケブ。キュルルの強い想いがもたらすものらしいが、何も解決していない。スケブよりもキュルルが描いた絵が問題なんだろうけど。
ビースト
前述したがビースト。アムールトラのビースト以外にもいるのだろうか?手枷、足枷はまだパークに人が居たころからの名残なのだろうか?
フウチョウ
ミステリアスなフウチョウ極楽鳥。キュルルの揺れる内面を具現化した存在のようにも見えるが何者なのか?
かばんさんの策に対してそれでいいのか?とかばんさん全否定で焚き付けたのはおかしかった。
海底火山
「うみのごきげん」まわりは何も解決していない。一期ではかばんちゃんが再び四神を設置しなおして根本的な対策を取ったが、こっちは放置になってしまった。
パークの危機でも意味合いが違う。お前が生み出したものだろうってところで止まってしまった。
こんな感じでいろいろ残ってる。
続きあっても大丈夫なように作ってるのか投げっぱなしなのか?どっちなんだろう。
人間の業
リョコウバトはかつてはどこにでもいた鳥。人間の乱獲によって絶滅してしまった存在。
たとえセルリアンの姿をしていてもリョコウバトは倒すことを躊躇する。そこをまた人間であるキュルルに助けられる。
ラスボスとなったフレンズ型セルリアン大集合は人間であるキュルルが生み出したもの。ただ人間としては楽しい大切な想い出を作っただけなのに害をもたらすことがある。
このあたり自然に対する「人間の業」を二期は描きたかったように思うが、存在があるというのを示しただけで終わってるのは残念。フレンズという世界において扱うのは難しい重いテーマだったのかなと思う。
残念な作品になってしまった
フレンズというキャラクターはデザイン等も含めて可愛く魅力的なもの。今回はちぐはぐに見える部分もあるけど、改めて底力あるなと思った。
設定まわりや人間の業とかそれなりにパーツは用意されている。作り方によってはもっと面白く見せることが出来たかも知れない。
ひび割れをジャンプするシーンは「木登り」のような効果を狙ったのかも知れないがまったくカタルシスは無かった。
明らかな舎弟関係が多すぎるのも気になった。一期にあった得手不得手はお互いに優しさを加えて補いあう空気は霧散してしまった。
結局たつき監督が作ったけものフレンズがイレギュラーで本当はこっちだったと結論づけるのが楽なんだけどな。公式もそうしたいようだし。
余談
制作陣は大変だったとは思う。独特の作風が受けた大ヒット作を新体制で短期間で作る。全力で続編が期待されてのあの交代劇の後だ。普通の作品を作ったとしても評価は厳しくなっただろう。
ただ監督やプロデューサーはTwitterで暴走して煽りまくってるように見えるし、脚本家に至っては放送中にこんな作品まで発表している。

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その作品はテレビアニメの放送後、何かとトラブル続きな作品の劇場版だった。しかも依頼してきたのは竹田の宿敵とも言える制作会社の極悪プロデューサー。何かあるとは察しつつも、生活のため背に腹はかえられず引き受けることにした竹田。
まんまに見える。
勝手なもんだが、放送中くらいもう少し黙っててくれんかなと。作品をメタい内情邪推へつなげる隙を見せることはないんじゃないか?と思わないでもない。
おわりに
アニメ「けものフレンズ2」は残念な出来だった。
やっぱたつき監督じゃなければ駄目だったのか?
しかし少年エースの漫画版けものフレンズ2は同じストーリーラインにもかかわらず、アニメで受けたの嫌な感じは無かった。作り手の気遣いを感じた。
ちょっとした気遣いの積み重ねによって印象というのは大きく変わるのだろう。そしてプロの方々なら百も承知だろう。
勝手な感想を散々述べたあとで申し訳ないが、今の制作の方々も期間や体制的な問題でそこまで手が回らなかっただけなのかも知れない。
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