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まるで小説のような官邸ドローン事件を受けてあれこれ考えてみた。 ドローン論。

時事

 

首相官邸不審ドローン事件。

 

都心を彩る桜もすっかりと散り、春も終わりを迎えるころ首相官邸の屋上ヘリポートにて小型の不審なドローンが見つかった。ある官邸職員が新人研修として施設を案内する最中に発見した。
 
ドローンには小型のカメラが搭載され、発煙筒らしきもの、そして RadioAcitivie (放射性物質)と書かれたプラスティック製の容器が取り付けられていた。首相は国際会議出席のためアジア諸国を外遊中であり、幸いにして怪我人は無かった。
 
警察はドローンの機種、飛行経路、及び放射性物質の特定などの捜査を急いでいる。
 

 
これが晩秋になって世間を騒がせている一連の事件の端緒であった。2つの事件の微妙なリンク。気づいたのは今のところ彼のみである……
  

 

最後の一節は勝手に妄想して付け加えたものですが、事件の第一報を聞いた時に「やはりこういうことが起きたか…」ということと、小説の小道具に使われそうな事件だなと思いました。
 
 ただ、これは現実。ドローンという新しいテクノロジー、安いコストで実現可能なテロリスクへの恐怖、放射性物質を用いたメッセージ、まさに2015年という時代そのものの事件だと思います。

  

ドローンという未来感にあふれる言葉

去年くらいからテレビでも空撮ドローンによる映像が放送されたり、Amazon が配送にドローンを使用するというニュースとなったりで、ドローンという言葉を目にする機会も増えてきました。

しかし、最近の一般的なドローンという言葉の使われ方にちょっと違和感を覚えます。現状はドローン = マルチコプター がデファクトとして浸透しているようでありモヤモヤするのです。

ドローンとは本来、「無人機」を表す言葉です。別に空を飛ぶものだけがドローンではありません。ドローンは自動飛行や無線・有線操作を問わない無人機、車であろうとロボットであろうとドローンと呼べることになります。

 

 ドローン = マルチコプターとなるわけではない。これ徹底してほしいなと。
 

もうひとつの違和感

マルチコプターの形状により安定飛行が実現できて、カメラやバッテリーもテクノロジーの進化により小型化・軽量化され、汎用的な通信技術を用いて、スマートフォンでもコントロールできる。大人のお小遣いの範囲で手がとどく。

21世紀! ここまで来てます!! ってのは分かるんですよ。

 

でもね、頑張れば昔からあるラジコンでも出来たじゃん!って思うのです。
※上の定義からすればラジコンもドローンの一種

 

やっぱドローン名乗るには、アニメ Psycho-Pass に出てくるようなアレや、功殻機動隊に出てくるタチコマくらいやって欲しいんですよ。その聞きなれないちょっと不穏な言葉の響きが持つ圧倒的な未来感に比べて、なんか物足りないんですよ。(さっきの主張はタテマエでこっちが本音か…)

こんなことばかり言ってると、ネットイナゴの愚かな言葉狩りに思われそうです。
 
「あー、また出たわー。あんたネット警察でしょ。ドローン警察? ドロ警?」
「いや、ウチの地元は 警ドロ ですけど…」

 こんな着地点のない不毛な議論に陥るかも知れないので、なんだかモヤるというくらいに留めておきます。

 

せめて報道には「空撮ドローン」のように、用途を前置して欲しいなと思う次第です。(今回の件は今のところ不審ドローンか。 なんだか危険ドラッグのような座りの悪い言葉だな。あ、不審車と同じだからいいのか…)


  

ドローンのリスクと対策

僕の幼稚な主張はおいといて本題に移りましょう。
 
今回の件、首相官邸という最も警備が要される施設で起きました。ドローンがテロには転用可能ということを、実例を持って示しました。捜査の結果、内容物によってはテロそのものであるという結果もありえます。放射性物質はもちろん、細菌、毒ガスなどの化学テロも容易に起こる。

 

また、テロ以外にも懸念すべきリスクがあります。往来で使用するには墜落事故により人を巻き込む可能性もありますし、解像度の高いカメラを搭載することによる盗撮も起こりうる。

 

汎用的なソフトウェア技術を使用することによるハッキングの危険もある。今回はホビー用途のドローンが使用されましたが、輸送や観測など産業用途にて使用されていくことを考えると、セキュリティはより厳重にする必要があります。先日、警察でも導入開始したとのニュースもあります。これらが乗っ取られたら大変ことです。

 

法規制による対策

対策として、早急な法整備が望まれます。本件の重大性を省みるに、以下のように使用にハードルを設ける方向進むのは間違いないでしょう。

 
・周波数帯の規制
・飛行禁止の徹底
・購入時の身分証明
・免許制の導入など
・イベント等、使用時の申請
 
さすがに事が重大であるためか政府の動きは早いです。政府は本日(4月24日)より、関係省庁連絡会議を開催し、航空法改正などドローン規制を今国会中での成立させるべく動くようです。

 

メーカーの対策

今回のドローンはDJI社のPhantom 2と見られています。メーカーは「詳しいことはまだ分からないが、航空技術が違法で危険な行為に利用されたことを断固として非難する」との声明とともに、ひとまずソフトウェアのアップデートにより皇居周辺、首相官邸での離陸を禁止する対策を取りました。(GPSを利用したシステムなのでこんなことが可能) このすばやい対応は評価されてしかるべきです。

 

本格的なテロ指向を持つ人間への対策になるかは疑問ですが、愉快犯の抑制を図ることはできるでしょう。

 

動機は? 今後もますます盛んになるドローン論

今回の犯人の動機についても様々な憶測を呼びます。

  • 愉快犯が警鐘を鳴らしてくれた?
  • 潜在犯への新たな攻撃方法の啓蒙活動?
  • 反原発に関連するあれこれか?
  • 安部首相の休日の道楽説
  • それより仕事はじめてすぐに、類を見ない事件に巻き込まれた新人さんは大丈夫だろうか?研修は予定通り執り行われるのだろうか?

これだけの大事件です。名称、法整備、技術面からの事件対策など今後もドローンにまつわる話題、ドローン論が増えるでしょう。

 
と記事を書いている間にさっそくこんなニュースが飛び込んできました。

www3.nhk.or.jp

MXのドローンがイギリス大使館に落ちたというニュースです。もしかして検証映像を撮ろうとしていたのでしょうか? にしても落とした場所がいかんでしょ…

これからしばらくドローンに関わるネガティブな報道は増えるでしょう。マスコミの常ですが、普段は取り上げられないような墜落も、危険性を強調する形で報道されるかも知れません。

  

ドローン規制と楽しさのバランスが取れればいい

ここまで事件を受けてドローンの危険性など書いてしまいましたが、マルチコプターによって撮られた空撮映像は実は好きだったりします。

 

www.itmedia.co.jp

 

最近のお気に入りはニュースになったこれ。 ドローンだからこそ取れた価値ある映像だと思います。

まだまだアイディア次第で見たことがない、面白い映像が取れるかもしれません。

 

僕自身も、ドローンを操縦して自分の住む街のあちこちを空撮してみたい!という気持ちにかれらます。今回事件で使われたPhantomは価格が20万くらいするし、敷居も高い感がありますが、数年前から知名度を上げてきている AR.Drone は、これまで何度か購入を検討したことがあります。他の趣味との兼ね合いで購入は見送ってますが、いつかはやってみたい。

 

「フラフープのでっかい輪っかを幾つか設置したコースで、輪っかをくぐりながら進めて行く、パイロットウィングスみたいなレース」が出来たら面白いんじゃないかとか、「釣りの撒き餌をピンポイントで落とす」用途に使用できないかなとか、色々と夢が膨らみます。

 

個人でも比較的簡単に手が届き楽しめる状況の維持とリスクのトレードオフ。正しく使用されているユーザーの方にとっては残念極まりない事件だと思います。僕自身、みなさんの成果物を楽しんだり、新技術がもたらすワクワクを味わう物として残念な気持ちでいっぱいです。

 
悪用する者の存在は、人類が都度辿って来た新技術の宿命とも言える課題です。
ドローンもいよいよその段階に来たのだと思います。
 
ひとまず本件に関しては警察のみなさまの捜査と、犯人の逮捕、並びに全容の早急な解明を期待して続報を待ちます。

 

長くなりましたが、以上。

 

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